THEMUSICALOFAFSIMERIKA
宮沢賢治作「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」より
  
  
  ウブボミ ――――― いのちのひびき


  お化けの国の話なら、何が起きても不思議はない

 お化けの国、アフジメリカを舞台に、幸せ探しの旅を続ける 
 ペンネンネンネンネン・ネネムのものがたり




 アフジメリカは化け物の国です。お化けだらけの国なんですから、何が起きても不思議はありません。
ペンネンネンネンネン・ネネムはそのアフジメリカの外れの森の奥深く、両親と妹の4人で楽しく暮らしていました。
 ところが、ネネム8才の春、お化けの国のおキレさまと呼ばれる太陽の様子が変に鳴りました。真冬のような寒い
日の繰り返しで、夏が来る頃にはとうとう飢餓がやってきました。やがて、食料もほとんどなくなり、つらい飢えの日が
何日も続きます。
 そんなある日、お父さんのパパパは、森へ入ったまま行方不明に。お母さんのマママもパパパのあとを追って、
それっきり戻りません。冷たい夏を、兄妹だけでのりきるのは大変なことです。飢えがしだいに二人をとらえはじめた頃、
言葉巧みに近づいてきた男が、食い物を餌に妹のマミミをさらって言ってしまいしまいます。
ついに、一人ぼっちになったネネムの、家族と自分探しの長い孤独な旅が始まります。



「UBU-MOMI!」はアフリカ大陸の南域に、現在も点々と暮らす先住民たちの、とても大切な意味を表す言葉(擬声語)なのです。また、この劇に出てくるすべての音楽は、あの、アパルトヘイトのあった南アフリカ出身の音楽家・テンバ・タナ氏の作曲と指導によるものです。何故このようなことを書く?と問われたら、この劇の主人公(ネネム)とテンバの今日までの人生が、あまりにもよく似ているから、と言っておきましょう。ちなみにこの劇の原作は、あの宮沢賢治作「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」というまことに不思議なお話です。
 ところでテンバに「日本では心臓音を”ドキドキ”とするなどと言うがアフリカではどうだろう?」と聞いてみたことがあります。するとテンバはあの笑顔で「UBU・BOMI・UBU・BOMI」と擬声語で鼓動を何時間も、汗だくになって、生き生きと唱え続けたのです。それはもうアフリカの音楽・アフリカの舞踊になっていました。(関矢幸雄)


原作=宮沢賢治

脚本=関矢幸雄・藤田 傅

演出=関矢幸雄

音楽=テンバ・タナ

美術=中地 智

照明=佐久間巨照

制作=田辺慶一